3/1にグローブ座 JOHNNYS’ Experience公演の申込詳細が発表されました。
今回はなんと安心・安全にコンサートに来場できるよう、ブロックチェーン技術を活用した新しいチケット・入場システムの実証実験が行われることが同時に発表されました。今後同システムが様々な公演に活用されることが想定されるので、どのようなシステムなのか、疑問点について考えてみたいと思います。
ブロックチェーンとは何か
細かい説明は適宜調べてみていただければと思いますが、私の理解でひらたくまとめると、ブロックチェーン技術とは『取引情報を改ざんできないように(ブロックに)まとめ、1本の鎖(チェーン)のようにつなげオンライン上で記録し続ける仕組み』 です。チケットシステムとしては取引履歴がオンライン上で記録され改ざんできない仕組みと捉えればよいかと思います。
現在出ている公式情報から分かること
1.申込はスマートフォン以外の機器(パソコン等)からでも可能
2.当選後チケットの受け取りはスマートフォン端末・アプリのインストール(App StoreまたはGoogle Play)が必要
3.チケットはまず代表者が受け取り、その後同行者に分配する必要がある(同行者もスマートフォン端末・アプリインストールが必要)
4.チケットは情報局会員であれば家族や友人に譲渡することができる(譲渡相手もスマートフォン端末が必要)
5.座席番号はこれまでと同様入場後に判明
6.譲渡・分配情報は管理・監視されている
『ブロックチェーン技術を活用することでチケットの流動を主催者側で把握し、不正入場やチケット不正転売の防止を図ります。』『チケットの流動を入場まで主催者側で管理します』という記載があるのでコンサート事務局側でチケットの譲渡・分配情報が把握されることが分かります。
(3/4追加情報)
7.チケット受け取りには代表者・同行者共にアプリの入ったスマホが必要。アプリ利用にはSMS認証(電話番号認証)が必要で、1つのアプリで1会員番号のみ登録可能
8.スマホを持っていない場合は当日本人確認で対応
9.アプリの準備方法詳細は3月下旬~4月上旬に案内される→4月下旬 に修正されました
(4/22追加情報)
アプリの案内・ダウンロードが開始されました。利用規約を読むと、端末固有情報も取得されるようです。
アプリ名:Johnny’s Pocket
ios : https://apps.apple.com/us/app/johnnys-pocket/id1609346222 (iOS12.0以上)
android: https://play.google.com/store/apps/details?id=xyz.parasol.wallet.android (OS 5.0以上)
利用規約: https://www.fc-member.johnnys-net.jp/page/ticket_info_2022je_termsofuse
アプリ登録フロー:
step1: SMS認証可能な電話番号を登録。電話番号登録後、届いたSMSコードを入力
step2:ユーザーネームを登録(ユーザーネームは変更できない)
step3:ジュニア情報局会員情報を連携
step4:登録完了
(4/28)
チケット送付がアナウンスされましたが、チケットが送付されない・同行者に分配できない・ログインエラーになる・チケットは最大2連当選にも関わらず6連でチケットが送られてくるなどのトラブルが頻発。
事務所はチケット送付に不備があることを認め、チケットは再度送信されることがアナウンスされました。
なおチケットの譲渡は当日朝9:00までに手続きが必要とのことです。同行者への分配については明記されていませんが、このシステムの混乱ぷりをみると同行者へも朝9:00までに分配しておかないとエラーが出そうです。
(4/29)
チケットの再送付が連絡されフレジュ公演分はチケットが送付されたようです。なお、経過を検索してみていたところ、公演日順に手動でアプリ連携を確認しチケットを送付しているのかというスピードの遅さです。(4/29 フレジュ、4/30 SP ぼいび りとかん 、5/1 侍)。アプリ未連携の知り合いが4/30午前中にアプリをダウンロード・ログインしフレジュ公演のチケットを確認したところ5/1に配布されたようです。アプリログインからチケット配布まで時間がかかることが見込まれます。(アプリ連携を確認したアカウントからチケットを順次送付しているのではないかと思われます)
またチケット申し込み時に入力した同行者を経由せずに代表者から第三者へチケットを送信すること、SMS認証をアプリをダウンロードした端末と別で実施することも検索した限りでは現時点では可能なようです。同公演2枚以上のチケットを代表者以外が一時的に受け取ることもできるようです。
ただ、実験はあまり想定どおりには行っているとは到底思えないので、今後もしこのシステムが本格運用されても仕様が変わる可能性が高いことは念頭においたほうがいいかと思います。
(5/1)
分配時のエラーが多発。処理中のまま1日経っても処理が終わらない、エラーとなる、エラーになった上チケットが消える事象が報告されています。他のグループのチケット再配布と重なった時間帯の分配のエラー報告が多いので、ブロックチェーンシステムの処理能力がめちゃくちゃ低いことが予想されます。しかもエラーでチケットが消えるとは、エラーの例外処理もろくにされていないっぽいです。
大半の消えたチケットは5/2夕方に再配布され無事再分配できたようですが、依然処理中のまま状況が進展しないといった報告も見られます。非常に不安の多いシステムですが、アプリのインストールはできるだけ早めに(チケット受け取りに時間がかかるため)、分配も直前ではなく余裕をもってすることをおすすめします。
(5/3~)
直前までエラー多発でしたが、入場は意外とスムーズでした。
アプリに表示されるQRコードを入場時に提示するとスタッフが機械で読み取り、しばらくすると席番がアプリに表示されるという仕組みです。入場時の本人確認はエラー等なければ基本なく、紙チケットは発券されません。
また、分配エラーで分配ができなかった人も、当選者が事務局に電話すればなんだかんだ入場できたようです。
ちなみに入場時に端末のキャリアの電波がなく、別端末でテザリングしましたが、特に問題なく入場できました。
疑問点
今までと何が変わるのか
ブロックチェーンを活用したチケットシステムではSMS認証などの情報を元にスマホ端末アプリにて鍵を生成しそれが本人確認と同一の役割を果たすのが基本的な仕組みのようなので、ファンクラブ登録情報・スマホ情報との何らかの紐づけは必須でされると推察されます。具体的にどういった情報が必要となるのかはアプリ詳細情報が出ていないので不明ですが、電話番号によるSMS認証が最も有力かと思われます。
(追加情報より電話番号によるSMS認証と確定しました)
スマホ端末アプリにチケットをダウンロードした時点で、ファンクラブ会員名義人はこのスマホ端末または電話番号を使用していますといった情報が改ざんできない仕組みで記録され、主催者側に把握されると考えられます。 ですので、SMS認証または端末認証ができない名義はチケットのダウンロードができなくなり、不正利用の防止が可能となります。また本人確認をチケットダウンロードで代替してしまうので、身分証明書提示によるマニュアル本人確認は基本的には不要となる、チケットの譲渡が公式で可能になるという大きなメリットもあります。
転売はなくなるのか
このシステムだと転売を全て無くすことは不可能だと思います。チケットを友人に譲渡する形を取れば、裏で高額金銭の授受が発生していても誰かが報告しない限りは通常の取引と見なされてしまいます。ただ、ブロックチェーンシステムでは転売通報機能があることが多いようなので、通報・違反防止措置は今までより容易になると思われます。
また、譲渡・分配情報が管理・監視されていることから、譲渡を異常に繰り返す名義に対して主催者側が不正転売の防止措置を取ってくることも将来的には起こるかもしれません。または様々な公演でやたら友人に譲渡されている名義は、落選者が優先されるような抽選操作を主催者側が意図する場合は当選しににくなる…なんてことも起きるかもしれません。まぁこういった情報が公開されるとは思えないので全て推測ですが。
事務所はなぜ顔認証等を導入しないのか
少クラの観覧で導入されている厳格な顔認証を導入すればより確実な本人確認が可能となるのだから不正防止したいのであればそういった措置を取ればいいのではないかという声はよく上がっています。予想されるのは顔認証システムよりもブロックチェーンシステムの方が単純にコストが低かった、または事務所も家族・友人に頼んで複数名義を作るオタクの現状をある程度黙認しており、ファンクラブ年会費・多ステによる1人のオタクからのチケット代確保・申込数の多さに支えられた安定したコンサート運営が可能な現状をできるだけ維持したかったなど様々な理由が考えられます。
スマートフォン端末が準備できない場合どうするのか?
スマホを持っていてもOSのバージョンが古くチケットアプリがダウンロードできない問題が発生するかと思います。そういった場合はデジチケエラーが発生した場合と同様のマニュアル本人確認で対応すると予想します。
(追加情報より、マニュアル本人確認での対応が確定しました)
以上、推測が多く含まれているので、事実以外の点については参考程度に聞き流して頂ければと思います。グローブ座公演に申し込んでみようと思っているので、当選した暁にはまた新システムについて記事にまとめたいと思います。
参考情報: